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行政視察の報告


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区民生活委員会(平成18年10月24日〜26日)

1.倉敷市 (岡山県)
倉敷市役所
倉敷市役所
  市の概要( 平成18年10月末現在 )
    ●人口:476,499人
●世帯数:184,434世帯
●面積:354.35km2


 倉敷市は、瀬戸内のおだやかな風土と、高梁川がもたらした豊かな大地に恵まれ、文化、産業をはじめ各分野で発展をとげた地域です。

 市の中心部には今回の視察テーマにもなっている、江戸時代の美しい街並みが残る美観地区。市の南部は、瀬戸内海国立公園の中心的観光名所鷲羽山をはじめ、王子が岳、由加山などの景勝地が広がります。

   

 山陽自動車道、岡山自動車道、瀬戸中央自動車道が東西、南北に交わる高速道路網の結節点となり、流通の重要拠点ともなっている地域です。

 S42年三市合併で倉敷市、H14年に中核市となる。昨年も合併が行われ今の人口となる。



(1) ワンストップサービスをめざした「市民サービスセンター」について

 
倉敷市役所1階フロア
壁がなく、すべてを見渡せる1階のフロア。
窓口を見ながら広いフロアーを歩く区民生活委員会の委員ら。

 H17年4月から倉敷市役所は市役所改革として市民サービスセンターを設置。

 入り口に相談・案内業務を専任する職員を配置し、相談窓口の充実並びに案内体制の充実を推進し、市民サービスの向上を図っている。

税証明窓口を1階にも設け、証明業務の集中化を図り、市民の利用の多い窓口を市役所1階に配置するといういわゆるワンストップサービスの提供を行っている。

<本庁1階の業務窓口>
○市民サービスセンター
戸籍届出、住民異動、外国人登録、印鑑登録、証明発行、臨時プレート、住民表示、国民年金、パスポートセンター 他


税務部
  • 税制課(市税の証明)
政策推進部
  • 市民活動推進課(ボランティア、NPO、コミュニティー活動他)
保険部
  • 国民健康保険課(国民健康保険の給付、保険料の賦課・収納等)
  • 介護保険課(要介護認定、介護保険の給付、保険料の賦課・収納等)
  • 医療給付課(医療費受給資格等)
福祉部
  • 子ども家庭課(児童手当、児童扶養手当等)
  • 保育課(保育園入所等)
  • 生活福祉課(生活保護、民生・児童委員等)
  • 高齢福祉課(高齢者優待証等)
  • 障害福祉課(身体障害者手帳、療育手帳等)
その他
  • 市長対話室
  • 情報公開室
  • 会計課
倉敷市役所1階窓口
窓口の様子。
住基カード発行の窓口も見える。
こうした窓口が横一列に伸びている。

倉敷市役所1階窓口案内システム
H18年3月からは窓口案内システムを導入。
椅子に座って窓口の順番を待つ仕組みをつくった。

<市長対話事業>

 市民サービスセンターの一角に市長対話室を設け、市長対話事業を行っている。H17年5月から「5時から市長室」と題して市民の求めに応じて市長が直接市民と市政についての対話、意見交換を行うもの。対象者は市内に在住か通勤通学する個人、または団体で、開催時間は個人30分以内、団体1時間以内を限度に対話。原則として議会開催月に1回開催し、開催時間は2時間とする。

 その他、「飛び出せ市長室」や「本音で市長とトーキング」など市長が各支所や地区、市民団体主催の集会などに参加する対話事業も展開している。

倉敷市役所市長対話室
市長対話室
<所感>
 
倉敷市視察風景1
資料に見入る委員たち

 まず市庁舎の外観に驚かされた(本報告1枚目の写真参照)。ホテルのようなつくりにその大きさ。かつてはいわゆる「豪華庁舎」の名で新聞などで取り上げられ、批判も含め全国に知れ渡ったという。
  正面玄関を入るとすぐに相談・案内業務を専任する女性職員がいる。たしかに何でも聞けるという雰囲気がある。そこからワンストップサービスのフロアーが広がる。
  とにかく広い。この庁舎にあって、このフロアーが確保できると思った。
  歩いていて思ったのは女性や若い職員が多いこと。非常勤職員やアルバイトが多いのかと思い質問してみると、さほどそうした非正規職員が入っているわけでもなかった。職員の活気が筒抜けのフロアー全体から感じられた点で市民にとっては親しみがわくと感じた。
  以下は庁舎内の施設の様子である。

 
倉敷市役所本会議室前フロア 倉敷市役所本会議室 倉敷市役所ミニホール
本会議室まえの廊下。大きな庁舎をいかした広々とした空間。とくに何かに使われてはいない。 本会議室。きわめて綺麗。壁への装飾など観光文化都市・倉敷を強く意識した内装となっている。 庁舎内のミニホール。天井には紫の花の装飾照明が無数に取り付けられている。


(2) 倉敷美観地区をはじめとする観光振興について

1.倉敷美観地区
 

倉敷町並み1<倉敷の町並みの歴史>
  江戸時代に幕末まで2度、天領地となって発展を遂げた倉敷。倉敷川畔には代官所が置かれ天領米の積み出しをはじめ輸送物資の基地として活気を帯び、町屋はほとんどが塗屋造りで蔵はすべて土蔵造り。意匠としては倉敷窓や倉敷格子が特徴的で「白色漆喰仕上げ」に「なまこ壁」のコントラストが美しい町並みが形成された。
  明治に入り鉄道が開通し、大原孫三郎氏の活動などで倉敷は「商人の町」として新たな発展の時期を迎える。商業の中心が北の駅前に移っていくも、大原氏の裁量によって現美観地区一帯には西洋建築の美術館などが造られ、それが倉敷の伝統的建築物と融合した独特の町並みを造ることになった。
<倉敷の美観地区指定への過程>
  こうした町並みは主に地域住民の力で長らく大切に保存されてきた。そこに1969(昭和44)年、自治体から保存計画が告示されるに至り、「倉敷川畔特別美観地区」が指定された。さらに1979(昭和54)年には「重要伝統的建造物群保存地区」として国の選定を受けるまでになった。
  1990(平成2)年には全国に先駆けて景観を守るために背景保全条例を制定し建物に高さ制限を加えるなど、積極的な町並み保存のための施策を講じてきた。
  現在年間約300万人の観光客数。

 
同地点からみたまちづくりの違い
倉敷町並み2 西倉敷町並み3

 駅から続く大通り。駅の方(南)を見ると近代的な町並みが広がっている。同じ地点から西のほうを向くと美観地区が広がる。かなり遠方まで高い建物がないことがわかる。

2.倉敷フィルムコミッション
 
倉敷フィルムコミッション事務所内
美観地区にある大原美術館の裏にある立派な民家で説明が行われた。
フィルムコミッションの事務所となっている。

 倉敷の町並みには江戸〜明治の建築物のほかに昭和初期の建築物も残されている。瀬戸内海の多島美と瀬戸大橋、更には良寛和尚ゆかりの円通寺など多彩な観光資源に恵まれている。こうした町並み、自然環境はこれを使った映画撮影のスポットとして利用価値が高い。
  また、これらの魅力ある観光資源を、映画やテレビなどの映像を通して広く全国や海外に紹介することにより、より一層の知名度アップが図られ、多くの観光客を獲得できる。撮影中は、スタッフが多数本市に滞在するため、そうしたさまざまな消費活動が期待できる。
  そこで倉敷では「倉敷フィルム・コミッション」をつくり、本格的に映画撮影の誘致に乗り出した。

 

<フィルム・コミッションとは>
  フィルム・コミッション(FC=映画評議会)とは、映画やテレビ番組、CM撮影などのロケーションを、地元に誘致・支援する組織のこと。倉敷フィルム・コミッション(倉敷FC)は、倉敷におけるロケーションを円滑に進めるための窓口として、平成15年1月1日に設立された。
  最近では「always 3丁目の夕日」のロケ地に選ばれ昭和初期の町並みが使われた。

3.倉敷ナンバープレート
 

 倉敷のブランド戦略の一つとして、倉敷ナンバープレートの導入が行われた。「走る地域の広告塔」として倉敷の名前を全国的にPRし、積極的に観光客の誘致に取り組む施策である。
  新たな地域名表示(いわゆる“ご当地ナンバー”)が認められるためには基準がある。【1】一定のまとまりのある、複数の市町村の集合する地域であること 【2】その地域の登録自動車数が10万台を越えていること 【3】新たな地域名は原則として「漢字」「2文字」(例外として最大4文字まで)で行政区画や旧国名などの地理的名称で、全国的にも知られていることなど。
  全国では「仙台」「会津」「伊豆」「下関」などの地域が地域名表示を導入した。

倉敷ナンバープレートアピールお茶缶
倉敷ナンバーをアピールするための缶のお茶
<所感>
 
倉敷町並み4
当時の面影がそのままの美観地区の川畔

 「倉敷市観光振興アクションプラン」(H16年12月)には冒頭、倉敷の観光事業に対する危機感が明確にされている。

『近年、国内景気の長期低迷や観光客のニーズの多様化により、「文化観光都市・倉敷」を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあります。』

 そうした危機感のなかで様々な観光振興施策が行われてきているが、これまでその優れた観光資源を守り育ててきたのは基本的に住民である。この間の支援策は市が新たな観光を興して住民に協力を呼びかけるようなものではない。豊かな観光資源を有する倉敷でさえ、未曾有の経済不況によって観光事業が危機にさらされる状況。住民の努力だけではどうしようもない状況に自治体としての支援策を模索している。

 

 倉敷市の年間予算は1500億円ほどで、そのうち観光予算は6億6千万円である。これは、年間予算の0.5%程度であり、観光都市・倉敷にしては意外と感じた。この点を指摘すると“基本は住民の努力であり、市の予算支出はこの程度で適当”との返答であった。

 各地に保存地区というものは存在するが倉敷の町並みは優れている。メインの川畔だけでなく、その裏の通りからそのまた奥の通りまで町並みが保存されているのである。そうした歴史的な家屋に実際に人々が住み、奥の地域に行けばおそらくそのなかには保存補助が出ていない家屋もあると思うがしっかりと町並みを崩さずに連続している。

倉敷町並み5
撤退した駅前のそごう跡。
町全体が大きなショックを受けている。
 
倉敷町並み6
倉敷町並み7
観光客の通らない場所でも町並みが維持されている。 さらに町の奥に行くと昭和初期のような町並みが現れた。
倉敷町並み8 倉敷町並み9 倉敷町並み10
商店街の連続性の中に突如現れる旧家屋。まさに地域全体で町並みを保存する気概にあふれている。 車が軒先にとまっている。まさに江戸の町並みがそのまま生活空間となっている。 夕方になる時点でほとんどの商店が店を閉め、開いているのは飲食店のみ。生活環境がちがっている。
 
倉敷町並み11
江戸の町並みに突如表れる西洋風の大きく長く続く壁

 商店街に突如として古い家屋が軒を連ね、観光客はまず来ないであろう路地にも昭和初期のにおいを感じさせるような家屋が地域として広がっていた。

 明治のイメージを彷彿とさせる紡績工場跡が結婚式場や公園として保存され、この町の歩んできた歴史を思わせる。多くの保存地区が数時間あればだいたい見渡せるのと違い、一日ではまわりきれないほどの奥深さは「倉敷」といわれる地域の人々が実際に生活していくことで奥の深さをましてきたと感じる。

倉敷町並み12
紡績工場跡地を利用した倉敷アイビースクエアー
倉敷町並み13
古い町並みが保存されるため、 路地も極めて狭い。ある意味 これも住民の努力といえよう。

こうした町並みに住むことはおそらく、一般の都市生活とは異なる慣習などが必要になると思われる。ちなみに夜6時ごろから全ての店舗がしまり始め、深夜営業の店舗は飲食店といえどなかった。

 こうした“生活を含めた町並み”を壊さずに支援を行うことが行政の重要な点である。

 フィルムコミッションは優れた観光振興策と感じた。優れた観光資源たる倉敷の町並みや自然をもっとも活かした事業であるといえよう。撮影するときの警察等への行政手続き、エキストラの現地調達、スタッフの滞在にかかわる手配などなど、細やかな援助がすでにいくつもの大きな映画撮影の誘致を成功させている。

 

 しかも、観光客にとっても有名な俳優が目の前で演技をしているシーンに遭遇するのはなかなか得がたい経験であり、倉敷の良き思い出となる。倉敷ブランドを高めるという重要な効果を持つにもかかわらず、人員も数名ですむので予算もほとんどかからない点で優れた施策と考える。

 杉並区でも新たな観光の創出としてアニメを中心に力を入れている。今回の事業を見るにつけ、優れた観光資源というものはまず地域住民の意欲に基づいた努力と工夫が尽くされているかが重要であると感じた。年間300万人という観光客を招く倉敷でさえ、市の観光予算は年6億円。

 観光の振興というものが単に箱物をつくったり、お金をかければ何とかなるというものではないことがよくわかった視察となった。



2.境港市 (鳥取県)
  市の概要(平成18年10月末現在 )
    ●人口:37,070人
●世帯数:14,601世帯
●面積:28.79km2


(1) 「水木しげるロード」「水木しげる記念館」を中心とした市街地活性化について

1.取組と経緯
 

 平成元年より緑と文化の町づくりを検討していく中で、JR境港駅から商店街を結ぶ目抜き通りをコミュニティロードとして整備することを構想。境港市出身の水木しげる氏の描く漫画に登場する妖怪のオブジェ・モニュメント・絵タイルを歩道に設置し、親しみのある快適な道として整備することとなった。

 市民のコミュニティロードとして整備したが、テレビ等でも取り上げられ大きな反響を呼び、全国から観光客が多く訪れる名所となった。その為、近年買い物客が減少傾向にあった地元商店街が、それぞれに工夫し大型店にはない特長を持つようになり、商店街の活性化につながった。

2. 水木しげるロードの特徴
 

鬼太郎オブジェ 妖怪を題材としたストーリー性を持ったコミュニティロードを形成。彫刻はほとんどが子どもの手のひらに納まる大きさであり触れて親しめる。また、黒御影石の台座と一体化しており型苦しい印象はない。

3. 水木しげる記念館
 

水木しげる記念館 水木しげるロードの関連事業の一環。平成15年3月8日の水木しげる氏81歳の誕生日に開館。境港市出身の漫画家水木しげる氏とその作品、氏が世界中から集めた妖怪に関するコレクション、また、館の為に製作したオブジェ等多数展示。水木しげる氏の哲学や精神のあらわれである妖怪の世界を展示や映像で紹介している。

4. 民間等による取組
 

 水木しげるロードが完成した後、住民による鬼太郎をテーマにした町づくりが行われるようになった。主な取組として、「ゲゲゲのしげる会」「鬼太郎音頭保存会」「水木ロード振興会」、民間からの出資による「株式会社アイズ」等があり、イベント(ゲゲゲの鬼太郎ゲタ飛ばし大会、境港妖怪ジャズフェスティバル等)も行われている。
また、

  • 米子駅〜境港駅間の鬼太郎イラスト列車(JR西日本)
  • 鬼太郎フェリー(隠岐JC、隠岐汽船等)
  • 鬼太郎交番(鳥取県警)
  • 妖怪ポスト設置(郵便局)等広範な協力も得ている。

<参考資料1>「水木しげるロード」

  境港市視察風景1
1. 事業実施期間 平成4年度〜平成8年度
2.
総事業費
440,000千円
内訳 市債 342,000千円
  宝くじ助成金 34,000千円
  一般財源 64,000千円
 
3.
整備内容

総延長800メートル
妖怪オブジェ120体(平成18年10月現在)
*妖怪オブジェの内84体は境港市が設置、36体は民間等によるもの。平成16年10月より観光協会を中心とする「妖怪ブロンズ像設置委員会」が全国からスポンサーを募ってブロンズ像を設置する取組を開始。

4.
入込客数

平成14年 約614,000人
平成15年 約854,000人
平成16年 約779,000人
平成17年 約855,000人

5.

問合せ件数等

平成17年度 

問合せ件数     

33,946件
  HPアクセス件数
188,548件
6.

その他

観光案内図改訂版作成、観光ガイドブック作成、妖怪ガイドブック作成、旅行業者との旅行商品造成実施、新聞・雑誌への観光PR広告出稿、TV・新聞・雑誌等マスコミへの情報提供

<参考資料2>「水木しげる記念館」

  境港市視察風景2
1.

施設概要

敷地面積1,643m2
建物床面積1,141m2
事業費約480,000千円

2.

開館時間等

開館時間 午前9時30分〜午後5時
休館日 火曜日(祝日の時は翌日を休館)
 
3. 入館料
 
水木しげるロード案内図
一般

700円    

(団体 600円)
中高校生 500円
(団体 400円)
小学生 300円
(団体 200円)
     
友の会会員(約500人)
 一般 1,800円 中高校生 1,300円
 小学生 800円
4.
運営事業費
 
 

 

収入

運営費

平成15年度決算

約112,000千円

約62,000千円

平成16年度決算

約 96,000千円

約65,000千円

平成17年度当初

約 81,000千円

約62,000千円

5.
入館者数
 
 

鬼太郎イラスト列車平成15年3月〜12月 197,747人
平成16年1月〜12月 172,984人
平成17年1月〜12月 188,616人



(2)観光振興施策「みなと観光交流促進プロジェクト」について

1.課題と目的

 

 境港市は「水木しげるロード」「水木しげる記念館」等の整備により県外から多くの観光客が訪れる県下屈指の観光地となったが、通過型観光地の性質が強く、観光客の滞在時間を如何に長くするかが課題となっている。また、境港は全国有数の漁港であり、特にズワイガニ、紅ズワイガニの水揚げ量は日本一である。しかし、これらのカニが境港から水揚げされていることは全国的に知られていない。

境港市視察風景3 滞在型の観光地への転換を図るために、「水木しげるロード」「水木しげる記念館」のみならず、海産物による全国的な知名度を上げる取組が必要であった。

2.取組

 

 国土交通省のプロジェクトに応募し当選。現在では国土交通省の事業の一環として取り組んでいる。境港市は平成19年10月に開催される「第9回全国和牛能力共進会」のサブ会場の予定地となっていることから、この機会に観光戦略の施行として創作「海鮮丼」の社会実験に取り組む。境港の新たなシンボルとして「海鮮丼」を情報発信していく予定である。

鬼太郎イラスト列車内

<所感>
 

 全国的に中心商店街が衰退する中で、商店街活性化として取り組んだ「水木しげるロード」「水木しげる記念館」の事業は現在成功しているといえる。妖怪を題材としたストーリー性を持ったコミュニティロードは地域活性化の呼び水ともなり、それが民間レベルまで広がり官民一体となった協働の形が出来あがった。官民の協働の好事例と捉えてよいのではないだろうか。
  その成功の要因としては、物理的条件(面積28.79km2 人口37,070人 世帯数14,601世帯)、経済活動としてのまとまり易さ(小売店数467店 小売販売額425億円)、更には本事業実施以前から地元の青年会議所等の活動が盛んであったこと等、様々な要因が重なっていたものと思われる。
  みなと観光交流促進プロジェクトについても、新たな観光戦略としてどのような官民一体の協働が行われるのか今後の展開に注目していきたい。
  今回の視察では、商店街活性化や地域活性化における民間の主体性や活動のあり方について学ぶべき点が多くあった。特に行政側の「特段市民に働き掛けをしなくても活動が広がっていった」「本事業に限らず日頃から民間の活動は活発である」との説明は示唆的である。官民がそれぞれの立場において自立し、互いの役割に真摯に取り組んでいることが伝わるものであった。民間の意欲や自主性を引き出すためにも行政と民間との関わり方について考える際の参考となった。

境港市役所前にて


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